【第20回公募開始】小規模事業者持続化補助金第19回からの主な変更点を解説

小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)の第20回公募要領が公開されました。今回は補助上限額や補助率といった大枠こそ据え置かれたものの、相見積のルールや賃上げ特例の判定方法など、重要な変更が複数加わっています。
「前回と同じ感覚で申請準備を進めると、要件を満たせない」というケースも起こりうる内容です。この記事では、第19回からの主な変更点を中心に、第20回の制度概要をわかりやすく整理してお伝えします。
※本記事は第20回公募要領(2026年5月公開)および第19回公募要領をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領・参考資料をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の皆さまが経営計画を自ら策定し、その計画に基づいて行う販路開拓や業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援する制度です。物価高騰・賃上げ・インボイス制度といった事業環境の変化に対応するため、要した経費の一部を補助します。
申請にあたっては、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組むことが必要です。
補助率・補助上限額
補助率・上限額は第19回から変更ありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限額 | 50万円 |
| インボイス特例 | +50万円上乗せ |
| 賃金引上げ特例 | +150万円上乗せ |
| 両特例を満たす場合 | +200万円上乗せ |
補助対象経費
対象となる経費は次の8区分です。区分そのものは第19回と同じですが、後述のとおり広報費・ウェブサイト関連費の上限ルールと区分の整理に変更があります。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費(オンライン含む)
- 旅費
- 新商品開発費
- 借料
- 委託・外注費
第19回からの主な変更点
ここからが本記事の本題です。第20回で特に注意すべき変更点を、影響の大きい順に解説します。
変更点1:相見積(2者見積)が必要な金額が大幅に下がりました
価格の妥当性を確認するための相見積(2者以上からの見積取得)が必要となる金額が、「100万円超」から「50万円超」へ引き下げられました。機械装置等の購入も同様に、発注総額(1件あたり)50万円超で2者見積が必須になります。
これまで1社の見積だけで進められた50万〜100万円の発注が、今回から相見積を求められます。設備導入や工事を計画している方は、見積取得のスケジュールに余裕を持たせてください。
変更点2:賃金引上げ特例の判定基準が「給与総額」に変わりました
賃金引上げ特例の要件が、根本的に変更されています。
| 区分 | 第19回 | 第20回 |
|---|---|---|
| 判定基準 | 事業場内最低賃金を+50円以上 | 従業員1人あたり給与支給総額が年平均3.0%以上増加 |
| 比較期間 | 申請時点と事業終了時点 | 補助事業実施期限日を終点とした連続する12か月とその前年同月の12か月を比較 |
| 提出書類 | 直近1か月分の賃金台帳 | 採択発表月を終点とした連続12か月分の賃金台帳 |
第19回までの「時給(事業場内最低賃金)を50円上げる」という考え方は通用しません。第20回では給与支給総額を1人あたり年平均3.0%以上引き上げ、12か月分の賃金台帳で実績を示す必要があります。1人あたりで算出するため、従業員の入退社や人員変動の影響も受けやすくなっています。
なお、給与支給総額の計算対象となるのは「各期間にて、全月分の給与等の支給を受けた従業員のみ」であり、「中途採用や退職等により、いずれかの期間において全月分の給与等の支給を受けていない従業員は、当該期間の算出対象から除外」となります。つまり、1か月でも給料を受けていない月がある従業員は計算対象から除かなくてはなりません。
比較対象となる12か月のいずれかの月に、算定対象となる従業員が一人もいない月がある場合は、賃上げ特例の対象外(申請できません)となります。
申請時には要件を満たしていても、実績報告時に満たせなくなった場合は、上乗せ分だけでなく、補助金全額が対象外となるので注意が必要です。
なお、政策加点としての賃金引上げ加点も「給与支給総額 年平均2.0%以上増加」に変更されています。赤字事業者の追加要件(補助率3/4・課税所得ゼロ以下)は第19回と同じです。
変更点3:広報費・ウェブサイト関連費の上限が30万円に統一されました
経費区分の上限ルールも見直されています。
- 広報費:上限なし → 上限30万円(税込)。あわせて「広報費のみの申請は不可(他経費と併用必須)」が明記されました。
- ウェブサイト関連費:「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」 → 一律30万円(税込)に変更。ウェブサイト関連費のみで申請できない点は変わらず。
さらに、インターネット広告・バナー広告・SNS広告などは、第19回ではウェブサイト関連費に計上していましたが、第20回では広報費に移動しました。ウェブ系の広告を広報費・ウェブサイト関連費のどちらに計上するか、区分判断が変わる点にご注意ください。いずれも上限30万円です。
変更点4:新商品開発費に市場調査の要件が追加されました
新商品開発費では、テストマーケティングや市場調査を踏まえた取り組み(またはそれを伴う取り組み)が補助対象であることが明記されました。実施した調査の内容と結果を様式2または実績報告書に記載する必要があり、記載がない場合は対象外となります。
変更点5:審査では「売上総利益の増加」と「客観的事実」がより重視されます
補助対象事業の要件に、「事業効果報告書の提出時に、売上高・売上総利益が補助事業終了時と比較して増加することが見込めること」が新たに加わりました。計画審査でも「客観的事実に基づいているか」「売上高・売上総利益の増加を目指すものか」といった観点が繰り返し強調されています。
計画書を作成する際は、データなどの客観的根拠を示し、売上だけでなく売上総利益(粗利)の増加まで明確に描くことが、採択の鍵になります。
そのほかの変更
- 加点項目の追加:重点政策加点に「健康経営優良法人加点」、政策加点に「地域別最低賃金引上げ加点」が新設されました(加点は重点・政策から各1種、計2種までの選択ルールは変わりません)。
- 令和6年能登半島地震等に伴う加点(間接被害)の対象期間が、令和8年3月までから令和8年11月までに延長されました。
その他注意点・スケジュール
| 項目 | 第20回 |
|---|---|
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 申請締切 | 2026年12月15日 17:00 |
| 事業支援計画書(様式4)発行締切 | 2026年12月4日 |
| 採択発表(予定) | 2027年3月頃 |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日 |
- 申請は電子申請システムのみで受け付けます。GビズIDプライムのアカウント取得が必要で、取得には数週間かかる場合があるため早めの準備をおすすめします。
- 交付決定日より前に発注・契約・支払いを行った経費は対象外です(展示会出展の申込みのみ例外あり)。
- 事業支援計画書(様式4)は受付締切以降の発行依頼ができません。商工会・商工会議所への相談は余裕を持って行ってください。
出典:小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募要領」「同 第19回公募要領」
まとめ

第20回の小規模事業者持続化補助金は、補助率・上限額こそ据え置きですが、相見積の閾値引き下げ(50万円超)、賃上げ特例の給与総額3.0%増への変更、広報費・ウェブ費の30万円統一など、申請準備に直結する変更が加わっています。前回までの経験だけで判断せず、最新ルールに沿った計画づくりが欠かせません。
特に賃上げ特例の要件が非常に厳しくなっています。安易に申請をすると、採択されても補助金交付が受けられない事態にもなりかねません。ご自身での申請に自信がなければ専門家もしくは商工会・商工会議所に相談しましょう。
当社では、小規模事業者持続化補助金をはじめとする補助金申請の支援を行っております。経営計画の策定から賃上げ要件の整理、採択につながる事業計画づくりまで、認定経営革新等支援機関と連携してサポートいたします。申請をお考えの方はお気軽にお問い合わせください。
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